2020年10月31日土曜日

日日是好日て何ですか・・・?

こんにちは、盆栽なんごくです。 




「日日是好日」



「にちにちこれこうにち」



盆栽の展示会なんかでこの言葉を書いた掛け軸を見ることがあります。




ヒビコレコウジツと思ってました…。汗

毎日が絶好調!って意味かと思っていましたがこれも違うようです…。




晴れの日もあれば雨の日もある。
暖かい日もあれば寒風吹き付ける日もある。
しかし、その日でなければ体験できないことを経験として積み重ねている。
だからどんな日であろうとあなたにとってかけがえのない「好日」である。




という意味の禅語だそうです。



思っていた意味とずいぶん違いました。

雨の日も寒い日も好日であると…。


禅はなかなか良いことを言いますね。



思うように盆栽が出来なくても、枯らしてしまってもそれはあなたにとっての良き経験であり「好日」なんですね。


たしかに全てが絶好調なんてこともありえませんから、それを考えると納得のいく意味合いの言葉ではないかと思います。



今日も快調!なんて考えていましたが、短絡的な解釈でした…(恥ずかしい)。



盆栽も全てが上手くいくわけではありませんからね。

剪定に失敗したり、枯らしたり…。
その失敗があっての盆栽です。

日々観察をして一日ずつ体験を積み重ねていきましょう。




暑い日にカラカラに乾くも、寒い日にカチカチに凍るも、




「日日是好日」です。





では、また。




2020年10月30日金曜日

ポット入り黒松の葉透かし

こんにちは、盆栽なんごくです。 





こちらは7月頃に芽切りした黒松です。


芽切りした黒松は最低限の葉しか付けていないので、一時的に寂しい姿になりますが…。





8月頃になると切った部分の葉元から2番芽が吹いてきます。

ちょっと賑やかになったところでまた葉の量を減らすのが葉透かし(古葉とり)です。


切ったところの葉が残ってるのでそれを取る作業。

ツンツンと伸びた葉が見えますが、去年葉ですね。ピンセットで抜き取るか、葉元を数ミリ残してハサミで切り取りましょう。



この樹は小さな文人木ですからすぐに作業を終えましたが、大物盆栽ではかなり根気のいる作業です。


こうして少しずつ形になっていくんですね。


芽切りを続けていくと枝数も増えていきますのでコツコツと作っていきましょう。




 では、また。




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2020年10月29日木曜日

足元が語る盆栽の味わい~作りと育ち

こんにちは、盆栽なんごくです。 



盆栽は足元で語る」というお話。



樹の見どころは色々とあります。

その中でも足元は重要な見どころの一つです。



こちらでもお話しましたが、「立ち上がり」の部分ですね。


立ち上がりとは地表から幹筋(一の枝)にかけての部分。


この部分は樹がどうやって作られて、どれくらいの歳月が経っているかを物語るところです。

苗木のころに針金で曲を付けられたものが何年、何十年と経って立ち上がりを作り上げていきます。




「作られた過程」と「育ち」を教えてくれるんですね



この樹は地表に近いところと幹の色が違います。接ぎ木で作られたものでしょう。


枝ぶりは変えられますが、立ち上がりは変わらないところです


その樹の個性そのものですね。





根が放射状に発達して広がっている姿が理想とされますが(八方根張り)、地表に出た根の一部も古さが出てくると、それだけで十分味が出てくるものです。

この黒松の根張りは良いとは言えないかもしれませんが、黒松らしい皮が出て古さを物語っています

樹皮からすると種から育てて20年から30年くらいでしょうか。



このように、足元の立ち上がりを見るとその盆栽の歴史が垣間見えてきます


お店や展示会などで盆栽を見る機会があったら足元をじっくりと見てみましょう。




「この太さ、この古さなら樹齢○○年くらいですかね…」


なんて言おうものなら


「おぬし、やるな…」


となること請け合いです。





では、また。



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2020年10月28日水曜日

八房五葉松「九重」の素材をどう作っていきましょうか

こんにちは、盆栽なんごくです。 



小さな五葉松素材のお話。


古くからある八房の「九重」です。



最近は黒松に芽接ぎした小さなものが出回っているようですね。品種も様々なものが出ています。

昭和40年くらいに八房ブームがあったらしく、その頃には多く出回ったようですがブームが過ぎれば見向きもされず…。

その時代から生き残ったのが「九重」と「瑞祥」です。


九重は樹冠部がゴツゴツとして、枝も太くなりやすいので作りづらいと言われています。それに比べるとやはり瑞祥の方が人気なんでしょうね。




こんな素材を手にして、さてどう育てていこうかと思案中。

一番手っ取り早いのはこのまま化粧鉢に入れることですね。それだけでミニ盆栽が出来上がります。


それだけじゃ物足りない時は、どう作っていくかの考えどころです。





どれくらいの大きさを目標にするかというのは重要です。

大きくしたいのであれば鉢を緩めて数年伸ばしっぱなしにするといいでしょう。

小さく作りたいのであれば今のうちに曲を入れて小鉢で持ち込むという方法もあります。

また、数を増やしたいのであれば、太りを待って途中で取り木するやり方もあります。九重の繁殖はほとんど接ぎ木か取り木ですね。


この素材も黒松の足元に接ぎ木されています。接いでから3年くらいでしょうか。



最終的な大きさの目安、どの程度の太さにするかといったことを考えて作っていくと楽しみが増えますね。


まだ小さな樹ですが、どんな風にでも育てられる可能性を秘めています。


長い目で見ていきましょう。



 では、また。

2020年10月27日火曜日

盆栽を始めると拾い物が多くなります

こんにちは、盆栽なんごくです。 



盆栽人はすぐに何でも拾う…。



何の話か?と思いでしょうが、事実です。


街の樹々が気になり始める。
種を拾いたくなる。
道端の苔がやたら目につくようになる…。


これらの症状が出てきたら盆栽人になり始めていると言っても良いでしょう。



私自身、これまで様々なものを拾ってきました。
庭に生えていた樹を鉢に入れてみたり。

この樹は3年経ちますが花も咲かず実も成らず、樹種すら分かりません。


手癖とでも言いましょうか、こういった拾い物が棚場によくあります。






秋になればモミジの種を頂戴して播いてみたり…。

秋になればというより、もっと前の段階で種が取れそうなモミジにすでに「目星」をつけてあったりします。


「あの樹の枝なら手が届きそうだな…」などと独り言を言いながら樹を見上げている人は盆栽人かもしれません。




道端でしゃがみこんで苔を採取している人がいたら間違いなく盆栽人ですので、そっと見守ってあげてください。





盆栽を始めて色んなものが気になり始めたあなた、心配しないで下さい。

立派な盆栽人としての道を歩んでいますから。




では、また。


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2020年10月26日月曜日

実生五葉松は気長に付き合っていきましょう

こんにちは、盆栽なんごくです。



五葉松を実生したというお話。


2018年実生ですから3年生になります。

10粒ほど播いて生き残ったのは2本だけです。ほかに数本発芽しましたが、夏の暑さにやられてしまいました。



発芽して2年半くらいですが、なんという成長の遅さ…。
棚場の隅に置かれて水だけをもらっている毎日です。
盆栽は焦らずゆっくりと言います。

こと五葉松に関しては自分の力ではどうにもなりません。「待つ」以外に方法がないので待つしかないですね。

人間時間で2年半は長いのか短いのか。
気付けば年月が経っていますが、植物時間とはずいぶん違うようです。





八房系が生き残ったのでしょうか。今年は芽持ちがよく、小さな芽が出ています。来年は賑やかに芽吹いてきそうです。

どんなに水やりしても肥料をあげても育ちが早くなるわけではありません。

さすがに植物時間に合わせていくしかないですね。



日々の生活を送る中で

「焦るな、一度立ち止まれ」

と言われているような気がします。





実生の五葉松は一息つくことの大切さを教えてくれますよ。


種が手に入る機会があればやってみると良いかもしれませんね。



気長にお試しあれ。






 では、また。

2020年10月25日日曜日

五葉松の葉が茶色くなったら…古葉落としです

こんにちは、盆栽なんごくです。 



五葉松の古葉のお話。

黒松でも述べましたが、五葉松も古葉を落とす季節です。




夏を過ぎて五葉松の葉が茶色くなっても焦らずに


たしかに樹全体に枯れた葉が付いていると心配になりますよね


五葉松も黒松と同様に葉は3年しかつきません。
去年葉やその前の年の葉が残っていれば茶色くなって落ちていきます。




全体に緑色の葉が残ってればちゃんと生きてますから、古葉だけを落としていきましょう。


古葉は手で触っただけで落ちます。

触っても落ちないものがあればピンセットなどで抜けますが、時間が経てば触って落ちるようになります。
一度で全部落とさずに、何回かに分けて落とすようにすると良いでしょう。



葉の進行方向に向かってなぞるだけですぐ落ちていきました。茶色くなりきっていないものはまた時間をおいて落とします。



古葉が無くなると芽先の葉がピンと立っているように見えるのでスッキリした姿になりますね。日光も入るし風通しも良くなります。





ただ...、何も考えずにやると足元は古葉だらけになるので要注意。鉢にはタオルなどでカバーをかけておくと良いかもしれませんね。


地道な作業ですが、松類の培養には欠かせない作業です。

冬の観賞前に棚場の五葉松をスッキリとさせていきましょう!




 では、また。





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2020年10月24日土曜日

ヒメシャラはちょっとした芽摘みが大事です

こんにちは、盆栽なんごくです。 



今日はヒメシャラのお話。



ツバキ科の落葉高木ですね。


高木ということは芽が上に向かってどんどん伸びる習性があります。



これは庭木のヒメシャラ。


小さな盆栽になるとこまめな芽摘みが必要です。

葉が互生して出てくるので放っておくと魚の骨のような扁平な枝になってしまいます。


2芽ほど残して芽摘みすると葉元から新しい芽が出てきます。その新しい芽は90度回転して芽を出していくので扁平な枝ぶりを解消することができるというわけです。






これは実生して3年くらい。
これくらいの樹でも芽摘みを繰り返すと少しずつ枝が出来てきます。

奥行や立体感を出すには芽摘みで枝を出していくしかないんですね。



冬が近づいていきますので落葉した姿も早く見てみたいものです。


その時は落葉後の剪定もご紹介しましょう。





 では、また。

2020年10月23日金曜日

黒松の葉が黄色くなったらどうする?肥料をやるのか水切れか…

こんにちは、盆栽なんごくです。 



黒松の「葉色」のお話。


黒松は自然樹で見ると青々とした葉が見られます。

しかし盆栽として小さな鉢に入れていると葉が黄色味を帯びてくることがあります


これは一体どういう症状なんでしょうか…。



考えられる原因は、

・過水
・過肥料
・鉄不足
・酸素不足
・日照不足

などなど…。


肥料不足と思って肥料をあげても回復することはあまりないです。


どちらかというと日照不足や過水、過肥料のケースが多いと思います




人によって解決策が違うようですが、私の場合は水やりを控えます

弱っている時に水やりの回数を減らすのは勇気がいりますが…。

過水や肥料過多で根が弱っている時に水を与えすぎると増々弱まってしまいます





1日2回であれば1回に減らすということです。水の量を減らすのではなく、回数を減らすという方法です


すぐに葉色が戻るわけではありませんが、徐々に緑色が回復してきます。



また、苦土石灰を表面にパラパラと撒くという方法もあります
苦土石灰は中和作用があり、過水や肥料過多でバランスを崩した用土の酸性/アルカリ性を中和してくれます。


水を控える方法も苦土石灰を撒く方法も即効性ではありません。半年や1年という期間でゆっくりとやっていきましょう。


ちなみに過肥料の場合はこんな初期症状が出ます。
葉の先端が茶色く焼けていますね。肥料が多すぎるとこういったケースが見られますのですぐに施肥を控えましょう





葉色に障害が出た場合は根っこを疑えということですね。



何事も控えめに…。


日々の観察が大切です
ちょっとした変化を見逃さないようにしましょう。

早期発見、早期対処です。


では、また。


2020年10月22日木曜日

根上がり黒松を作ってます

こんにちは、盆栽なんごくです。



盆栽には「根上がり」という樹形があります。

根っこが地表に出ている様子を再現したものですね。

自然界では土砂の流出で根が露出してしまうといった理由で出来ることがあります。



それを人工的に作ろうという計画。

ビニルの筒に入れて1年ほど経ったもの。
筒の長さはこれの2倍ほどありました。

半分ほど土を落として根っこを露出させています。




あまり一気に露出させると枯れることもあるので注意(多数枯らした経験あり…)。
用土は赤玉とボラと山砂のミックス。赤玉だけの方が水持ちが良いのですが根を走らせたかったので山砂を混ぜています。

黒松は砂植えにすると赤玉のみに比べて葉もしっかりして樹勢も上がります。

ただ、水やり頻度は多くなるので培養環境によっては水持ちも考えた方が良いかと。





出したばかりの根は針金などの補助がないと自立できません。


来年の春にはもう少し筒を切って長さを短くしてみましょう。

ほんの少ししか根が出ていないようではインパクトのある樹にはなりません。
やるなら大胆に!


ただし、少しずつですよ(やり過ぎて枯れたら元も子もないので…)。




では、また。





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2020年10月21日水曜日

2年前に接いだ黒松

こんにちは、盆栽なんごくです。 



接いだ黒松のお話。


実生2年目の黒松の根元に黒松の芽を芽接ぎしたものです。
黒松に黒松を接ぎ木するのはあまりないと思いますが…。
腰の低い素材を作ろうという試みです。





今年伸びた新芽を切ってから残していた葉元にたくさん芽吹いてきました。


ただ、このくらい調子が良いのは数本だけです。残りの10本くらいはあまり芽吹いてきませんでした。1か所でも芽があればそこから作れるので地道にやっていこうと思います。



この中から役枝と伸ばす芯を決めるのですが、まずは太りを得たいので一番上の芯を伸ばそうと思案中。
春から夏まで力をつけてから切り戻す予定です。




一気に芽数を減らすと枯れてしまうこともありますので、すぐに形を作ろうとせずゆっくりゆっくり…。





 では、また。

2020年10月20日火曜日

1年に2回の芽切りをした結果…

こんにちは、盆栽なんごくです。 



黒松くんのお話。


黒松と言えば「芽切り」作業がありますね。
6月から7月ごろにかけて新しい新芽を元から切る方法。

そこから2番芽が吹いて、秋ごろには短葉になるという黒松ならではの剪定作業。



それを春に1回、夏に1回と分けて行ってみました。


こちらは4月ごろの黒松。ミドリも伸びて元気です。
普通は夏に切るのですが、これを4月に切ってしまいます。

*樹勢の弱い樹にはやらないで下さいね…。




それから3ヶ月ほど経つと2番芽が順調に伸びてきます。春に切ってしまうとさすがに短葉にはならないですね。この写真は8月ですからこれからまだまだ伸びていこうというところです。
せっかく伸びた2番芽ですが、これをさらに切ります。

この場合は新芽の元から切るのではなく、新芽の葉を2枚~3枚だけ残して先端を切ります。いわゆる「中芽切り」ですね。



当年に伸びた新梢を切っても芽吹かないと言われていますが、どうでしょうか…。




さらに2か月がたち10月の様子。
長い葉に混じって短い芽が見えますね。

どうやら中芽切りしたときに残した葉の根元から吹いてきたようです。



葉元から2芽出てきていますね。どうやら2回目の芽切りも成功したようです。




が…、もう1本の方は新芽が出ていません。
この時期に出てこなければ、今年は出てこないと思います。
こうなると葉元から出てくるのは来年になりますね。さらに来年は古葉を取るだけで通常の芽切りは出来なくなります(新芽を切ると芽吹いてくる元葉がないので…)。




急ぐ必要がなければ通常の芽切りだけで充分かもしれませんね。芽吹いて来ないことも考えるとリスクもあります。


この方法は樹勢の良い若木に特化したやり方かもしれません。





ということで、1年に2回芽切りの結果でした。







 では、また。



2020年10月19日月曜日

寿を接いで2年、今どうなってる?

こんにちは、盆栽なんごくです。 



黒松の変種である「寿(ことぶき)」。

四国で発見されて接ぎ木で繁殖されています。

葉も色濃く短葉になる品種です。



2018年に我が家でも接ぎ木してみようと3本試してみました。

右側の黄緑色の葉が黒松で、幹途中に接がれたものが寿。

残念ながら一本しか活着せず…。



その一本は順調に育ってます。
これは翌年の春に台木を切り取った時の写真ですね。
黒松本体の葉はなくなり、接がれた寿だけになりました。

針金で少し成形してますが、接ぎ木部分は無理に曲げるとボロッと取れることがあるので注意。


五葉松の接ぎ木でも、品種によっては曲げてしまうと簡単に取れてしまうものがあるようです。一番相性が良いのが宮島五葉松なんだとか。




そして現在は本鉢に入ってます。
今年は芽切りをしてませんのでちょっとボサボサ。


接いだ部分はしっかり癒着しているようです。接ぎ口は「熱」をもって膨らんでくることがあります。この樹も数年経つと接ぎ口が大きくなってしまうかもしれません。しばらく様子を見ようと思います。

「寿」の難点は太りが遅いことでしょうか。枝葉は混みますが太りません…。接いだころの太さがそのままです。


雑誌の写真なんかで見る立派な「寿」は相当時間が掛かっているんでしょうね。



小さいミニ寿なら自分で作れるので楽しいですよ。


お試しあれ。






 では、また。