2021年9月23日木曜日

根上がり黒松の作り方

こんにちは、盆栽なんごくです。 



根上がりの黒松を作っていますが、
現在の状態を見てみましょう。





40cmくらいの筒です。
赤玉とボラ土、山砂のミックス。






そこに実生苗を投入。
この筒には山砂が多めに入ってますね。
3月に入れて夏には根が底まで伸びます


上部のビニルを少しずつ切って
根を露出させて、翌年にはポットに
鉢上げしました。


まだ根が固まっていないので
針金がないと自立できません。


細い根はほとんど枯れていて、
手で触ればボロボロを落ちていきます。

生き残った根が太れば自立できるでしょう。








こちらの樹も細い根がたくさん見えます。

根芸がしっかり見えるまでもう
少し時間が掛かるようです。


ヒョロッと伸びた姿でなく、小さく
コンパクトにするには幹を畳み込むか、
根のすぐ上に芽接ぎするしかありません。





どのくらいの樹高で作りたいかによって
作り方も変わってくるので、まず作りたい
大きさを決めておくと良いでしょう



さて、どんな樹になってくれるでしょうか。

根芸が固まるまでにもう少し時間が必要です。



盆栽園や園芸店に並ぶ樹々も幾ばくか
時間が掛かっています




自分で作ってみるとプチ生産者の
気分が味わえますよ^^



一鉢ずつ大切に作りましょう




では、また。




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2021年9月20日月曜日

芽接ぎした黒松 その3

こんにちは、盆栽なんごくです。 



足元に小さな芽を接いだ黒松。

腰の低い樹を作ろうという魂胆です。

本来ならもっと低い位置に葉があったのでそこから芽吹く予定でした。
が、芽吹かず…。
接いだ当年に伸びた部分に芽当たりがあるのでそこで作ることにします。



接ぎ口はもう少し時間が経てば肉巻きしてくるでしょう。
台木の残りは枯れた部分が多いので緑色の層が見えるまで削って表面を保護しておいた方が良さそうです。

今年は芽切りもせずにそのままの状態。太りを得たいので来年も伸ばす予定。
伸ばすのはいいのですが、冬の間に徒長枝の葉を落とした方が良いでしょう。上部の葉の量が減れば低い部分の枝に力が回ります。

小さな枝を大事にしながら、上に伸ばして太らせるということですね。



今更ながら…、もう少しひねった鋭い曲を付けておけば良かったと思いますが、どうなるでしょうか。太ってくれば大きな曲も緩めに見えてきます。樹に教えてもらいましょう。

このあと肥料を乗せておきました。東商の「超発酵おまかせ」です。

別に東商の回し者ではないですが、ニオイが無いのでよく使います。

以前、普通の玉肥(油粕)を大量に使ったところ、住宅街で肥料の臭いがプンプンという事態になってしまいまして…。

住宅地では気を付けるようにしましょう。




では、また。




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2021年9月12日日曜日

黒松~芽切り後の葉透かし

こんにちは、盆栽なんごくです。 



黒松です。


6月から7月にかけて芽切りを行うのは定番の作業ですが、その後の作業を見てみましょう。

葉透かし(古葉取り)です。葉すぐり、葉抜きとも言います。

この記事は9月ですが、本来は樹の成長が止まる11月以降に行います

夏に芽切りを施した黒松。各枝に2番芽が吹いています。
新たに吹いてきた芽と去年の葉が入り混じっている状態です。



短く上に伸びているのが2番芽、それ以外の長い葉が去年の葉です。下方向にも伸びているのでボサボサに見えてしまいますね。
これらの長い葉(去年葉)を一つずつ取っていく作業が葉透かし(古葉取り)です

方法は二通り。

ピンセットで一本ずつ抜いていく方法と、ハサミで葉の根元を切る方法


ピンセットで抜く方法は小さい芽も一緒に取れてしまうこともあるので注意しましょう。


今回はハサミで葉の根元を切る方法で行いました。
古葉取りを行う前に芽掻き作業をやっておくのが理想ですが、今回は古葉を取った後に枝先を二又に揃えています。2番目は3つも4つも吹いてくるので葉の長さの揃った2芽を残すようにしましょう




葉透かしは枝が多くなるほど時間が掛かり根気のいる作業です。しかし、作業後のスッキリ感は抜群!

古葉を取って芽先を二又に揃えると見た目もかなり違ってきます。




作業前と作業後を見てみましょう。ボサボサな感じがスッキリして締まった黒松の姿が見えてきました。


冬には針金掛けを行います。この時に二又に分けていないと針金掛けが大変です。枝先を二又にしておくのは針金を掛けやすくするためでもあります


こういった作業は自分でやるからこそ、樹に対する愛着も湧いてきます
一年の結果を見る楽しみ、そして来年の姿を想像する。

今の満足、さらに将来の大きな満足を夢見てわくわく…。

こんな趣味は盆栽しかありません!




次回は針金をかけてみましょう。


では、また。



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2021年9月11日土曜日

葉性は持って生まれたもの

こんにちは、盆栽なんごくです。 



いきなりですが、「葉性」とは…。

葉の性質ですね。


盆栽では葉の小さいものが用いられます。葉が大きいと縮図である盆栽には向かないということで敬遠されがちです。

また、葉の大きなものは節間も伸びる傾向にあるため樹作りの妨げになることもあります。



モミジでも様々な種類があり、それぞれ葉性が違います。同じヤマモミジであっても派の大きさが違ったり芽の詰まり方が違ったりします。

葉が小さく、節の詰まったものを選ぶと良いでしょう。




選ぶときになぜ重要かというと、「葉性は変えられないから」です。どんなに長年育てても葉性の悪いものが良いモノに変わることはありません。せっかく長年作っても大きく野暮な葉が出てしまうと時間も無駄になってしまいます。

モミジの例でいくと、小さい物は舞姫や織姫などの品種があり、さらに小さい琴姫という品種もあります。琴姫は八房性でかなり小さいのですが、作りづらいのが難点かもしれません。

あまりにも小さい物は扱いづらくなる場合もあります。




前出の2本はヤマモミジ、こちらは舞姫モミジです。
この樹は10cmもないくらいの大きさですが葉が小さためバランスが取れていますね。






こちらは変わって出猩々モミジ。
舞姫などとは違って葉が小さいとは言えません。葉の大きさは普通のヤマモミジと同じくらいです。
出猩々の場合は接ぎ木や挿し木がメインなので、小葉性のものは簡単には出てこないでしょう。接ぎ木や挿し木はクローンになりますから性質は「全て同じ」ということになります。

ごくまれに突然変異で枝先だけが変わるものがあり、枝変わりと呼ばれ、細葉性の「京の糸」はそれにあたります。


盆栽園や園芸店に行って見る機会があれば、じっくり観察してみて下さい。

今回はモミジを例に出しましたが、葉性は他の樹種でも重要になります。黒松や五葉松、真柏などにも葉性の良し悪しが見られます。




葉性は樹が持って生まれた性質ですから、良いモノを選んでいきたいですね。また、挿し木で繁殖する時も葉性の良いものを選んで後世に残していきましょう!







 では、また。




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2021年9月1日水曜日

芽接ぎした黒松 その2

こんにちは、盆栽なんごくです。 



先日、芽接ぎした黒松を紹介しましたが、別の樹も載せておきましょう。



ボサボサの状態です。
2018年春に接いで、その年に台木を落としました。
翌年には接いだ芽が大きく成長するので夏に新梢を半分ほど切っておきます。

頂芽が抑制されて足元に残した葉元から芽が吹いてくるという仕組みです



接ぎ口は少しずつ肉巻きしています。
雑木類に比べると傷の治りが遅いですね。気長に見守りましょう。


残した葉元から芽を吹いて、さらに小さな芽も見えます。たくさん芽吹くのは嬉しいですが、残すのはこの中で2つか3つくらいでしょう。
今年の芽切りは見送りました。頂芽を切られて、そこから吹いた芽を切ってしまうと樹勢を落としかねません…。

今年は力をつける年です。上に伸びた数本の枝は犠牲枝として来年の夏まで成長してもらいます。

これから秋の太りに期待しましょう。

来年は枝数の調整と芽切りですね。


こうした素材は生産農家では作りません
手間がかかり過ぎますよね。大量生産して大量に売らないと採算が取れないので、手間のかかるものは避けられます。

将来性のある素材は愛好家さんたちが作ることが多いです

値段の高い小品でも、もとは愛好家が作ったというものがあります。

みなさんもじっくり時間をかけて作ってみましょう!



 では、また。







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